愛知県岡崎市の山あいで、昔ながらの伝統技法で日本酒を作っている柴田酒造場さんを取材させていただきました。
江戸時代後期1830年創業の老舗で、「孝の司(こうのつかさ)」や「众(ぎん)」のブランドで有名な酒蔵です。
全国的にも珍しい超軟水の湧き水「神水」を使った口当たり柔らかなお酒になっています。
このページでは、柴田酒造場さんで作られる日本酒の「素材・製造」を掲載しています。
動画で書ききれなかった情報を記事に丁寧に掲載しています。
ぜひ最後までご覧ください。
柴田酒造場 一生動画「素材・製造」
「素材・製造」というモノの一生が見られるものを「一生動画」と呼んでいます。
他では見られない、想いの詰まった「商品の一生」をぜひご覧ください。
エシカルポイント
1.伝統技法
地域に根差す伝統技法を使うことで地域の活性化につながります。
2.地産地消
地元の湧き水、地元で作られたお米を使ってお酒造りをしています。
柴田酒造場 日本酒
日本酒 スキットル瓶 ¥800(税込) ※2022年12月現在
・craft sake(日本酒)
・cloudy sake(にごり酒)
・yuzu(ゆず) 柚子のオーガニック果汁と合わせたリキュール
※毎日の晩酌に合うお酒や、季節に合わせたにごり酒や発泡したお酒、贈答用の純米大吟醸まで様々なお酒を造っています。
柴田酒造場 日本酒 の ストーリー
Q.日本酒を造る材料は何ですか?
A.主な材料は、お米と水です。
お米
愛知県産の中山間地向けの酒米「夢山水」や、酒造りに適したお米を取り寄せて作っています。
また、酒造場の近くの田んぼで、自社でお米を育てています。(農薬:栽培期間中不使用)
今後は、自社のお米を取り入れた酒造りをする予定です。
水
水は酒造場の近くの山の井戸の湧き水「神水」を使っています。
先代が井戸屋や従業員と共に3年かけて掘った井戸です。
全国的にも珍しい硬度0.2の超軟水で、洗米から仕込みまですべてに使っています。
Q.日本酒は、どうやって作られていますか?
①洗米・蒸米
お米を洗って蒸します。
蒸したお米を麹用と醸造用タンクに分けます。
②麹米
麹米を作ります。
麹室(こうじむろ)と呼ばれる高温多湿の部屋で、蒸したお米と種麹を合わせて作ります。
③速醸造りの酒母
蒸米、麹、酵母、乳酸を使って速醸(そくじょう)造りの酒母(しゅぼ)を作ります。
酒母のことを「酛(もと)」とも言います。
日本酒造りでは「一麹、二酛、三造り」と言われており、二番目に大切な要素となります。
酒母とは?
酒母とは、まさに「日本酒の母」のような存在で、日本酒を作る土台となる液体です。
「蒸米」「麹」「酵母」「水」「乳酸」によって酒母は作られます。
酒母を造る目的は、アルコールを生成するための酵母を大量に培養することです。
日本酒情報サイト「SAKE Street」より引用
④生酛造り、山廃造りの酒母
蒸米、麹、酵母を使って伝統製法の生酛(きもと)造り、山廃(やまはい)造りの酒母を作ります。
2014年より、この日本古来の手法による酒造りに取り組んでいます。
生酛・山廃で造ると、深みのある味わいでしかも劣化しづらい強いお酒ができ上がります。
速醸造り、生酛造り、山廃造りとは?
▼速醸造り
人工的に作られた乳酸を用いた酒母で作られるお酒のことをいいます。乳酸を酒母に直接投入することで、すぐに酸性の状態にできるため安定かつ効率的に酒母を育成することができます。速醸系酒母で造られた日本酒は、生酛系と比べて淡麗な傾向があります。
▼生酛(きもと)造り
生酛系酒母とは、酒蔵の中に生息する乳酸菌を取り込むことによって造られる酒母です。
天然の乳酸菌を相手にすることもあり、生酛系酒母の造りは速醸系と比べて手間も時間もかかります。酒母造りの期間は約3週間から1ヶ月程度です。生酛系酒母で造られた日本酒は乳酸菌の影響によって、速醸系酒母と比べると濃厚で酸味のある味わいになりやすいという特徴があります。
生酛系酒母のうち伝統的な「山卸し(やまおろし)」という作業を行うものを「生酛造り」または「生酛」といいます。山卸しとは、酒母に投入されたお米をすり潰す作業のことです。
▼山廃(やまはい)造り
「山廃」とは、生酛系酒母のうち生酛造りで行われていた「山卸し」を行わないものをいいます。山廃の由来は「山卸しを廃止」したから「山廃」です。
山卸しをすると酒母中の成分が均一になってバランスがよくなるといった意見や、酒母内の環境が変化するので味わいや香りにも影響が出るという意見の酒蔵もあって、非常に奥深い分野となっています。
日本酒情報サイト「SAKE Street」より引用
⑤発酵
蒸したお米、麹米、酒母を合わせて、この大きなタンクの中で発酵させます。
酒母に3回に分けて徐々に原料を増やしていく「三段仕込み」を4日間かけて行います。
麹菌による米の糖化と、酵母によるアルコール発酵が同時に進行する「並行複発酵」により、度数が17〜20%と高いアルコールが生成されます。
タンクの中では、ガスの泡がプクプクと出ています。
⑥上槽・ろ過
圧搾機にかけて絞り、清酒と酒粕に分けます。
清酒をさらにろ過して日本酒ができ上ります。
Q.どんなお酒を造っていますか?
A.毎日の晩酌に合うようなお酒から、贈答用の純米大吟醸まで様々なお酒を造っています。
果汁と日本酒で作ったゆず・みかんのリキュールや、季節に合わせたにごり酒や発泡したお酒も人気です。
季節に合わせたお酒は、売り切れ必至の人気商品です。
海外ではスキットル瓶に入れた日本酒を販売しています。
最近日本でも同じ瓶で販売を始めました。
「家康の里」という銘柄のお酒を入れた
来年の大河ドラマをイメージしたワンカップ商品もあります。
岡崎観光のお土産にもピッタリです。
ブランド名の由来
孝の司
「孝の司」とは民話「養老の泉」に由来する名前です。
昔々、とても親孝行な木こりがお酒の湧く泉を見つけ、病気がちの父親のためにひょうたんに入れて持ち帰りました。父がそのお酒を飲むと、不思議なことに病が治り若返ったというお話です。
新しいラベルでは、このお話を元にしたロゴマークが描かれています。
一筆書きで、父親と親孝行な息子がお酒を吞みかわしている姿になっています。
众(ぎん)
「众」は2016年に作られた伝統製法の生酛造り、山廃造りのお酒のブランドです。
「众」という字には、一つ屋根の下に人々が集まり、力を合わせて、世界に誇れる酒造りに打ち込んでいこうという想いが込められています。
柴田酒造場 一生動画「素材・製造」
「素材・製造」というモノの一生が見られるものを「一生動画」と呼んでいます。
他では見られない、想いの詰まった「商品の一生」をぜひご覧ください。
柴田酒造場で作られるお酒は、口当たりが柔らかくて甘みがあります。
その秘密が湧き水「神水」にあったと知りました。
元々の地名「神水」で湧き出たお水が超軟水で、運命的にお酒造りに適した土地だったんですね。
副社長にお話を伺い、今までの日本酒造りを大切にしながらも、これから先の未来を見据えた地域を盛り上げる構想についても教えていただきました。
伝統を守りながら未来へ挑戦する姿がとてもまぶしく、これからの取り組みもますます楽しみです。
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