【動画あり】藍染と絞りの鯉のぼりの一生!<Aihiraco>「素材・製造・使い方・手放し方」

 愛知県豊橋市で、藍染と有松絞りの伝統技法を使った絞りで小物や衣類を作っているAihiraco(アイヒラコ)さんを取材させていただきました。
 ただ藍染の製品を作るだけでなく、どうすれば環境に負荷のないモノづくりができるかを追求しており、環境に対する活動家である一面も垣間見えました。
 このページでは、Aihiracoさんの藍染製品の「素材・製造・使い方・手放し方」を掲載しています。
ここでしか見られない貴重な動画が最後にありますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

エシカルポイント

1.自然素材

 自然素材のみを使用して作ることで、廃棄時の環境への負荷を減らします。
また、お手入れをすることで長く使うことができます。

2.小規模生産

 受注生産することで、大量生産・大量廃棄を減らします。

3.伝統工芸

 地域特有の技術や技法を継承していくことで、地域を活性化させます。

4.アップサイクル

 汚れたり色あせた時に染め直すことで、長く使うことができます。

Aihiraco 藍染 鯉のぼり

手染め 藍染 鯉のぼり ミニ ¥6,600(税込) ※2022年12月現在
※鯉のぼり1つあたりの価格です。受注生産となるため販売期間外の場合がございます。

 鯉のぼりの他に、ベビー服、Tシャツ、ヘアターバン、ストールなど様々なファッションアイテムもございます。

Aihiraco 藍染製品 の ストーリー

Q.藍染の材料は何ですか?

A.藍染に必要なものは4つだけです。すべて天然のものになります。
①すくも
②木灰(きばい)
③貝灰(かいばい)
④ふすま

①すくも

 徳島県で藍師さんが作っている “すくも” をいただいています。
 ”すくも” とは、蓼藍(たであい)という植物を発酵させて作られた、藍染で一番大切な材料です。
 徳島県産の “すくも” は、一等品で美しい藍の色に染まります。

 

②木灰(きばい)

 木を燃やした後にできる灰を使います。
 藍染がうまくいくかどうかは、灰の品質に左右されます。
 上質な木材の灰でないといけません。
 偶然ですが、近所の石窯焼きピザ屋さんで品質の良い灰をいただくことができています。
 ピザ屋さんなだけあって、灰の中にチーズが混ざっていることもあります(笑)
 丁寧にふるいにかけて、きれいな灰だけを取り出して、灰汁(あく)を作ります。

 

③貝灰(かいばい)

 有明海の貝を燃やしてできた灰を使っています。
 染液のアルカリ度を調整する時に使います。

 

④ふすま

 小麦の外皮を粉末にしたものです。
 食用のものを使っています。
 藍染の染液の様子を見て、栄養が足りていないと感じるときに、タンパク質の栄養源として与えます。

 

Q.藍染の染液はどうやって作りますか?

①まず最初に灰汁(あく)を作ります。
 木灰(きばい)とお湯をよく撹拌させ、1日かけて灰を沈殿させてできた上澄み液を灰汁(あく)として使います。
 同じ灰から4回灰汁(あく)を取り、このタルに保管しています。
 灰汁(あく)作りには2週間ほどかかります。

 

②灰汁(あく)と “すくも” を混ぜて発酵させます。
 この発酵させる工程を「藍建て(あいだて)」と呼びます。

 

③毎日藍の様子を見て、状態によって貝灰(かいばい)や “ふすま” を染液に与えます。
 アルカリ度が足りない場合は、貝灰(かいばい)を足します。
 タンパク質が足りないと感じる場合は、”ふすま” を足します。
 「藍のご機嫌伺い」とも呼ばれているくらい、ベストな状態で藍染ができるように毎日様子を見ています。

 

Q.誰がどのように作っていますか?

A.Aihiracoは一人で活動しているブランドです。
 元アパレルパタンナーとして、デザインやパターン(型紙)を制作するところから、伝統技法を用いた絞り、藍染の染色工程まですべて一人でまかなっています。

 

 鯉のぼりには、愛知県の知多木綿を使っています。
 手縫いで丁寧に、絞り(有松絞りの伝統技法を使った絞り)を入れます。

 

 生地を染めます。
 藍染の染液のタルに入れて、絞り部分の奥まで染み渡るようにゆったりと泳がせます。

 

 生地を取り出して水で染液を洗い流します。
 空気中の酸素に触れると、色が鮮やかな青色に変わります。

 

 希望の色になるまで、染めて洗う工程を繰り返します。
 染めあがった後に、絞りの糸を切ります。
 きれいな模様が出てきました。

 

 生地が乾いたら縫製します。
 Aihiracoの商品はすべて型紙から作っています。
 なるべく余分な端切れが出ないように工夫しています。

 

 使い終わった灰汁(あく)や灰はそのまま廃棄しません。
 クエン酸を混ぜて中和させ、土と混ぜて時間を掛けてアルカリ度を落としてから畑の土へ還すようにしています。

 

Q.藍染製品の普段のお手入れはどうしたらいいですか?

A.最初の2,3回は色水や灰汁が出る場合があります。
 他の物へ色移りする可能性があるため、他の衣類と分けて手洗いすることをお勧めしています。
 その後は、他の衣類と一緒に洗濯機で回していただいても色移りはしないので大丈夫です。

 

Q.修理やお手入れ、手放し方はどうすれば良いですか?

A.色が褪せたり、汚れがついてしまった場合は、リダイ(染め直し)も承っております。
 また、サイズ直しやデザインの変更にもご相談に乗れます。
 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

BEFORE
AFTER
BEFORE
AFTER

 最後まで長くご使用いただけますと幸いですが、
もし手放す場合は、自治体の分別ルールに従って廃棄をお願いいたします。

Aihiraco 藍染 鯉のぼり 一生動画「素材・製造・使い方・手放し方」

「素材・製造・使い方・手放し方」というモノの一生が見られるものを
「一生動画」と呼んでいます。
他では見られない、想いの詰まった「商品の一生」をぜひご覧ください。

Aihiraco「藍染 鯉のぼり」の一生

 藍染と絞りを用いた小物や衣類を作っているAihiracoさん。
 子育てしながらたくさんの工程を一人で作業されており、すごいの一言でした。
 製造工程で使い終わった材料を廃棄する場合、どうすれば一番環境に負荷が少ないのか追求して徹底している姿に、ここまでやるんだととても驚きました。
 思いのこもった藍染は、どれも心が温かくなるような美しい藍色です。 

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